「思考回路:つぶやき」20210102
●ご参考
<MINKABU PRESS FX情報担当編集長 山岡和雅>:原文を一部編集
※山岡和雅氏の個人の見解です。
※為替や他のいかなる商品について売買を推奨するものではございません。
昨年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に振り回された歴史的な年
となりました。
年が明けて今年はどんな1年になるでしょうか。
年頭に今年のドル円の見通しについて見ていきたいと思います。
>2020年のドル円
・中国に端を発した新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に広がり、
パンデミックを巻き起こす中で大混乱の相場展開となりました。
>年明けから2月ごろまで
・好調な米経済への期待感などが広がる中でドル高円安の動き。
→ドル円は112円台に上昇。
>その後パンデミックの混乱の中でパニック相場に
→101円台まで急激に下落。
→安値を付けた後は一転してドル買いが進み111円台半ばへ
→ごく短期間に10円以上の値幅での振幅。
※2018年・2019年の一年の値幅は10円に届いていない。
>振幅を経て111円台半ばを付けた後
・じりじりとドル安基調が進む。
・ある程度の振幅を経て年末までドル安の流れが継続。
>2021年…当面はこうしたドル安の流れが続く見込み。
☆新型コロナワクチンの接種が12月から英・米・ユーロ圏で始まる。
→アフターコロナに向けた期待感拡大。
★日本でのワクチンの接種開始は3月ごろと予想。
★新興国などではより遅くなる可能性。
→世界的にワクチンの供給が広がるのはまだ先。
★先月以降英国を中心に感染力が高い新型コロナの変異種の問題発生。
→警戒感はまだ継続しています。
★冬に入って感染拡大第3波の動きも世界的に深刻化。
・日本では年の瀬12月31日に新型コロナの新規感染者数が4520人と
過去最大を大きく更新。
・世界的にも感染拡大の動きが強まる。
<米国>
・12月に入って一日当たりの新規感染者数が20万人を連日のように
超える日が続いて最大で25万人に迫る日も。
・感染者数は年末時点で1997万人と2千万人に迫っており1月初めの
大台超えが確実に。
(・・? 強まる「リスク選好」の流れ…世界的な株高進行
<日本>
・日経平均株価が29日に2万7602円52銭とバブル後の最高値を記録。
・大納会も2万7444円17銭と年末としてはバブル後の最高値で引け。
<米国>
・ダウ平均株価が12月31日に3万606ドル48セントと史上最高値で引け。
☆新型コロナワクチンの供給が医療者などを中心に米国や英国などで進行。
・今後の状況の落ち着きに期待。
☆年末に成立した米追加経済対策など
・世界的に政府や中銀当局者による経済再生に向けた積極的な対応が
とられていることへの期待感。
☆米国バイデン新政権下
・トランプ政権以上に経済対策に力が入るとに期待。
→リスク選好を支える格好に。
(・・?:リスク選好の動きは円売りにも作用するか?
★新型コロナ以降リスク選好はドル売りにより強く働く。
・パンデミック下で流動性が高く信頼性もあるドルに世界中から資金流入。
∴ドルに資金が集中し過ぎた結果
・その調整からのドル売りが広がる展開
・米FRBの緩和政策…米短期金利はもとより、米国の長期金利も低迷。
・当面低い水準で推移するとの見込み。
<米ドル>
・金利面での期待ができない。
・リスク選好局面で収益を求める動きの強まり
→ドル売り他通貨買いを誘いやすい。
●当面は警戒と期待の交錯する展開が続く
★市場は現状の懸念よりも先行きの期待感で動くことが多い。
・先進国で医療崩壊の動きが強まるなどのよほどの事態が生じない限り
→期待感からのドル売りが市場をリードするとの見込み。
・クロス円を中心にリスク選好の円売りも入るためドル円の下げはゆっくり。
→今後100円割れが迫る展開が見込まれるところ。
→ここ5年の最安値である98円台を割り込む動きとなる可能性も。
●流れの反転
☆ワクチンの普及などで世界的に新型コロナの脅威が沈静化する目途が
しっかりと見えたとき。
・米国にしても現状の緩和策に対する調整の意識拡がる。
・実際にFRBが行動に移すのは2022年以降と予想。
・市場の期待感が先行…米長期金利の上昇を伴ってのドル買いが強まる
との期待。
・夏以降の可能性が高い。
・アフターコロナの動きが本格化するタイミングを見極めたいところ。
・2021年末時点ではすでに反転が進みドル高円安となっている可能性は
十分にあると予想。